肥満について、漢方の考え方

漢方では美容的意味ばかりでなく、肥満とそれに伴う症状(高血圧、高脂血症、痛風、冠動脈疾患、胆石症、すい炎、脂肪肝、婦人科疾患、関節疾患など・・・)も同時に考え、肥満しやすい体質を改善していきます。
食毒一掃(体に滞った食べ物による害を去ること)、気・血・水の乱れの調和、ほか本人の病状の訴えなどを十分考慮して薬草の種類を選び、処方を選定し、1日も早い回復をめざします。

理想的な体重は、標準体重の±10%以内です。
標準体重(キログラム)=〔身長(センチメートル)-100〕×0.9
例えば、身長165cmの人の標準体重は
(165-100)×0.9=58.5kg
理想的な体重は、53kg~64kg程度となります。
標準体重(キログラム)=22×身長(メートル)×身長(メートル)<BMI>

よく使用される基本処方

防風通聖散・防己黄耆湯・大柴胡湯・桃核承気湯・大黄甘草湯など

療法

食事療法
  1. 全体の摂取カロリー量を減らす。
    いろいろな種類のものを食べ、なおかつ全体量は少なめにしましょう。
    糖質(麺類、御飯、果物、菓子類、果汁)、脂質(フライ、脂肉、チョコレート、
    ピーナッツ顆、バター、マーガリン)は少なめに
    特に果物、果汁は健康によいと誤解されがちです。注意しましょう。
  2. カロリー量の少ない、加熱した野菜、魚貝類、海草類をなるべく多くとりましょう。
  3. 薄味に心がけましょう。
    (味付けを濃くすると食事量が増える原因になりがちです。)
  4. 1日3回の食習慣を守りましょう。
    夕食以降の間食は控え目に、お酒のつまみは野菜を中心にしましょう。
    アルコール類は控え目に。

食事療法では余り極端な変化を避け、体重をみながら徐々に減らしていくことに心がけましょう。

運動療法
  • 1日合計1時間以上歩くように努めましょう。
    心臓、血圧、呼吸器などに特に異常がない場合、少し汗ばむ程度のスポーツに挑戦してみるのもよいでしょう。

予防と養生

  1. 定期的に体重を測定しましょう。
    (1日のうちでも体重は1kg前後変化します。時間をきめて体重計にのるようにしましょう。
  2. ストレスの解消(趣味を持つ、軽いスポーツを楽しむなど)に心がけましょう。
  3. コーヒー・紅茶は砂糖を入れずに飲むようにしましょう。
  4. 便秘にならないように心がけましょう。
    (野菜・海草など繊維質の多い食品をとる、薬草茶など害のないもので便通をととのえる。)

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