正常値(血液検査)

  赤血球数 ヘモグロビン(g/dl) ヘマクリット(%)
成年男子 4.00~5.50 13.0~18.0 38~54
成年女子 3.80~5.00 12.0~16.0 30~47
(この値は参考値にして下さい。正確には検査された医療機関の検査表の基準値をごらん下さい。)

貧血について、漢方の考え方

漢方では東洋医学独特の考え方( 気・血・水 )の調和の乱れを調整することに重点がおかれます。
特に貧血に関しては、血虚ということばが使用されることが多いようです。
「血虚」とは、現代医学で言う「血液が薄い状態」も含め、体のすみずみまで漢方でいう血(血液および体液の総称)が巡らなくなった状態をさして使われることが多い言葉です。
そのような考え方から漢方では血液を造る力を引き出すことと同時に 気のめぐりをよくすること(血液の循環改善)を目的に体質の変化、本人の病状の訴えなどを十分考慮して薬草の種類を選び処方を選定し、1日も早い回復をめざします。

こんな症状のある方ご相談ください。

頭痛・動悸・息切れ・めまい・立ちくらみ・耳鳴り・注意力散漫
疲れやすい・手足が冷える・食欲不振・舌が荒れる
口内炎・口角炎がでやすい・爪がもろく薄くなった
友人や家族から顔色が悪いとよく言われる等…

よく使用される基本処方

当帰芍薬散・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・苓桂朮甘湯・四物湯・十全大補湯など

療法

貧血の種類
  1. 欠乏性貧血(鉄欠乏性貧血・巨赤芽球性貧血・蛋白欠乏性貧血)
  2. 溶血性貧血
  3. 再生不良性貧血
  4. 続発性貧血

このなかで食事療法の対象となるのは、鉄欠乏性貧血が中心となります。
その他の貧血の場合は、原因となる疾患の治療、例えば、巨赤芽球性貧血ではどタミンB12、葉酸の補給など、適切な医薬品との併用が不可欠となります。

食事療法(鉄欠乏性貧血の場合)
  1. 鉄分の多い食べ物(肉類・魚貝類・海藻類・種実・豆類)
    レバー・かき・いわし・しらすぼし・あさり・しじみ・はまぐり・わかめ・ひじき・のり・牛肉・鶏卵黄・馬肉・心臓・腎臓・ゆば・納豆・えんどう・大豆・ほうれん草・春菊・しその葉・しいたけ・あんず・マーマレード・干しぶどう・みそ・しなちく・切り干し大根・・・
  2. 鉄分の少ない食べ物(果物・野菜・乳製品・糖質・アルコール類)
    牛乳・チーズ・鶏肉むね・鶏肉ささみ・鶏卵白・いか・鯛・甘鯛・たこ・麺類・御飯・菓子類・みかん・りんご・果汁・柿・さとう・きゅうり・だいこん・・・
  3. 全体のカロリー量を十分取るようにしましょう。
    いろいろな種類のものを食べるように心がけましょう。
  4. 1日3回の食習慣を守りましょう。
運動療法
  • (適切な運動は造血機能を高めます。しかしあまりがんばり過ぎないように!)
    1日合計1時間以上歩くように努めましょう。
    ジョギング・その他、急激な運動は避け、荷物を持たずに歩くことを心掛ける。

予防と養生

  1. 睡眠時間は充分にとりましょう。(1日7時間以上とるようにしましょう。)
  2. 心身の過労をさけましょう。
  3. 体の保温に気をつけましょう。

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一口メモ

貧血に関する注意
  • 原因を調べることを怠らないようにしましょう。
    生理の過多・血尿・鎮痛剤の連用・胃潰瘍・肝炎・リュウマチ・がん・ホルモン異常・膠原病・潰瘍性大腸炎・放射線障害など
  • 特に成人男子で貧血がある場合、体内の出血の有無を検査することが大切

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