高脂血症とは

血液中のコレステロール・中性脂肪(トリグリセリド)など、脂質の1種類以上が標準値より多くなったものが高脂血症と呼ばれます.
高脂血症を起こす原因となる病気(糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、胆道閉塞、すい炎など)のある場合は、その治療を中心とした養生法を行ってください。

肥満、アルコール類の飲みすぎ、家族性などが原因の場合、または原因のはっきりしない場合は、つぎのことがらに注意して、
総コレステロール値 220mg/dl以下 中性脂肪値は150mg/dl以下
(この値は参考値にして下さい。正確には検査された医療機関の検査表の基準値をごらん下さい。)
になるように努力しましょう。

よく使用される基本処方

大柴胡湯・防風通聖散・防己黄耆湯・桃核承気湯・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸など

療法

食事療法
  1. 全体のカロリー量を減らす。
    いろいろな種類のものを食べ、なおかつ全体量は少なめにしましょう。
    糖質(麺類、御飯、果物、菓子類、果汁)、脂質(フライ、脂肉、チョコレート、ピーナッツ類、バター、マーガリン)は少なめに。
  2. 野菜、魚貝類、海草類をなるべく多く取る。
  3. 薄味に心がける。(塩分は直接、高脂血症を起こす原因にはなりません。
    しかし濃い味付けは、食べ過ぎの原因になり、高血圧、動脈硬化を引き起こすもととなります。)
  4. 1日3回の食習慣を守る。
    夕食以降の間食は控え目に、アルコール類のつまみは野菜を中心にしましょう。

食事療法では余り極端な変化を避け、体重をみながら徐々に減らしていくことに心がけましょう。

運動療法
  1. 1日合計1時間以上歩くように努める。
    ジョギング・その他、急激な運動は避け、荷物を持たずに歩くことを心掛けましょう。
    買い物はこまめに歩いていく。水泳、山歩きなど、気分転換にも、また適度な運動にもなることを生活の中に組み入れましょう。

予防と養生

  1. 睡眠時間は充分にとりましょう。
    1日7時間以上とるように心がける。
  2. ストレスの解消(趣味を持つ、軽いスポーツを楽しむなど)を心がける。
  3. コーヒー・紅茶は砂糖を入れずに飲むようにしましょう。

一口メモ

コレステロール
コレステロールは、血液中でリポ蛋白(リン脂質やタンパク質+コレステロール)という粒子になって全身をめぐっています。 リポ蛋白にはいくつかの種類があり大きく分けて、 肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ働きのあるLDLコレステロール(悪玉コレステロール:量が多いと血管に過量にくっつき動脈硬化の原因になるため悪玉と呼ばれる。)と 全身にある余分なコレステロールを肝臓にもどす働きのあるHDLコレステロール(善玉コレステロールと呼ばれる。)にわけられます。
血液検査でいうコレステロール値は総コレステロール(T-Cho)のことでLDL・HDLコレステロールなどすべてのコレステロールの総量です。
このことから、コレステロール値と血管合併症(心疾患、脳血管障害)との関係をより正確に知るためにはLDLコレステロールの値を知ることが必要です。
LDLコレステロールの値の計算法:(基準値:150mg/dl以下)
LDLコレステロールの値=(総コレステロール値)-(HDLコレステロール)-(中性脂肪値の1/5)
コレステロールエステル:血清中コレステロールの70~80%はエステル化されています。
コレステロールエステルは、しばしばほかの脂肪と一緒に血管の内側に沈着して、アテローム性動脈硬化症(粥状硬化症:太い動脈の硬化症)をひき起こします。
また血中の濃度が高いと、家族性高コレステロール血症や黄色腫症の原因となるため、血液検査の対象とされることがあります。

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